〜特例子会社における、障害のある従業員のご家族および障害者のご家族がいる従業員の「親なきあと問題」を支援〜
導入サービス:当事者家族「親なきあと」支援プログラム
株式会社東京ドームウィズ 代表取締役社長 上村 純子様(以下:上村社長)
上村社長:東京ドームウィズを設立する際、会社の立ち上げに大変お世話になった方がいます。その方のお話が今でも忘れられません。その方が、60歳まで勤務していた特例子会社を退職後、地域のコミュニティに参加しようとされた際、体力の衰えもあり、人間関係を築くのに非常に苦労されたとおっしゃっていました。そのため、コミュニティに参加するのは早ければ早いほど良いという考えを持たれていました。
このお話を聞いたとき、私は東京ドームウィズで働く障害のある従業員も、ほとんどが若い方々であるため、本人やそのご家族の支援環境について早い段階から考える必要があると強く感じました。この思いは、会社の設立当初からずっと持ち続けてきました。だからこそ、あしたパートナーズ様から今回のお話をいただいたとき、「これだ!」と思い、非常に嬉しく感じました。まさに私が求めていたものが見つかった瞬間でした。
上村社長:東京ドームウィズを設立して以降、親なきあと問題について、ご家族の間ではすでに話し合われていることもあるかもしれませんが、実際に会社に相談が寄せられたり、現実的に何かをしなければならないという状況には、なかなか直面していませんでした。私自身も、あの方のお話を伺わなければ、皆さんの将来的なことを深く考えることができなかっただろうと感じています。また、もっと早い段階で勉強会を開く必要があるということを、当時は思いつかなかったと感じています。
上村社長:元々、そのような気持ちを持っていたので、この取り組みは素晴らしいものだと感じました。親会社である東京ドームから紹介されたとき、「これはすぐにでも実行した方が良い」と思いました。
一つ気になったのは、ご家族によって捉え方が異なるだろうという点でした。特に「親なきあと」という言葉はインパクトが強いため、社内でも伝え方について検討が必要ではないかという議論がありました。
上村社長:障害のある皆さんとそのご家族の将来を考える上で、やはり安心して暮らせることが最も大切だと思います。本来、社会全体がそのような状況であるべきだとは思いますが、現実にはまだそのような状況が整っていないところもありますし、制度の情報が充分に認知されていないところもあります。だからこそ、少しでもご家族に必要な情報をお伝えできればと思っています。
今回の「親なきあと」支援プログラムをきっかけに、少しでもご家族が将来について考えるきっかけになればと願っています。
上村社長:東京ドームウィズが設立される前、東京ドームで障害者の従業員を雇用していた際にも、実際にご家族との関わりは濃淡こそありましたが、繋がりが強いことを側から見ていて感じていました。そのため、特に抵抗はありませんでした。
会社が直接介入するというよりは、会社は情報を提供し、皆さんに選んでいただく立場だと考えていましたので、壁を感じることはなかったですね。
上村社長:そうですね、ご家庭ごとに事情は異なると思いますが、「親なきあと」のことを考えたときに、オンラインコミュニティ「あしたね」を通じて、さまざまな方々に頼っていただければと思います。ご登録いただいている皆さんには、長い期間にわたり、お付き合いいただければと願っています。
上村社長:実は、皆さんがいらっしゃるかどうか、とても不安だったんです。しかし、会場でもオンラインでも、ご夫婦やごきょうだいがたくさん参加されているのを見て、開催して本当に良かったと感じました。また、このプログラムには意義があるんだと実感しました。
講師の方のバックグラウンドについてお話しいただいたことも、とても素晴らしいと思いました。安心して相談できる相手であることがしっかり伝わり、親近感が湧くと同時に、「こういう方に相談できるんだ」と思うことで、皆さんが安心して相談してみようと思うきっかけになるのではないかと、心から感じました。
2025年1月開催の勉強会風景
上村社長:東京ドームウィズとしては、引き続き、長く続けていきたいと考えています。今後、新入社員も加わりますが、最初にこの話を伝えたいと思っています。どのようにご家族にお伝えするかについては検討中ですが、新入社員が入るたびに必ず伝えていくつもりです。また、既存のメンバーへの勉強会も、定期的に開催していきたいと考えていますので、今後、よろしくお願いいたします。