NPO法人わかくさ福祉会 理事長
野路 和之様(以下:野路さま)
※2024年12月に開所したグループホームの前にて撮影
インタビュー
わかくさ福祉会さんは、障害者就業・生活支援センターや地域活動支援センター等の就労から生活まで相談支援の業務を行ってきていますが、これまでに相談や福祉サービス利用者のご家族様やご本人様より「親なきあと」について、どのように支援や相談を受けてきていますか?
野路さま
まず、私たちの「親なきあと」支援については、私たちの会の歴史的あゆみを話させてください。
もともと私どもの会は今から43年前、、精神障害のある当事者、その家族、地域の精神科医療の関係者が集まり、まずは地域での居場所としての作業所づくりからスタートしてきた会です。その背景には、親なきあとの問題も含まれており、今回あしたパートナーズさんの支援のお話を聴き、改めて原点的テーマであり、しっかりこの問題に向き合わないといけないと強く思いました。
特に最近は支援上に、8050問題や7040問題があり、地域包括の会議における介護の現場の話で親の支援に入ったら、精神障害のある息子がいたなどの相談内容は常態化しており、この問題の根深さを感じています。障害に対する自己スティグマがあり、抱え込み、先伸ばし、バイアス、地域資源が不足しているなど複雑な理由が背景にあります。
ただ親なきあとの課題はできるだけ早い段階に整理されている方が良いと私自身は思っていますので、せめて課題解決できる先のご紹介だけでも、できたらと思っています。こうした理由から、今回「親なきあと」支援プログラムを導入しようと思いました。
相談支援機関向けの支援員と連携する、「よりそいサポート」については、どのような理由から始めようと思いましたか?
野路さま
ここ10年ほど、就労支援の現場では生活支援の比重が増えているかなという肌感覚がありました。
私はNPO法人全国就業支援ネットワークという団体の理事をしているのですが、ネットワークでつい最近、障害者就業・生活支援センターを対象に調査アンケートしたところ、生活相談の支援が増えており、その内容の多くが金銭的、経済的困窮の問題が多くなっていることが明らかになり、全国的傾向だと把握しました。
たとえ就労を望んでいても、その前の生活が成り立っていない、例えば働きたいが家があるけれど手持ちのお金がない、通院したいけれど通院のための交通費がない等…。また散財する方も増えており、年金をもらったが訴求分は浪費し、友達や家族にお金を貸してしまったが戻ってこないなど。中には親御さんが使いこんだり、またすでに親御さんがお亡くなり、財産管理ができず、散財してしまっているなど、お金に絡む問題が常に舞い込んでいます。
こうした相談支援の現場では「親なきあと問題」に関連する生活に関するご相談を受ける機会が増えてきているとのことでしたが、そこに関してどのようにお考えでしょうか?
野路さま
この問題を解決するために、金銭管理であれば家計支援、お金がないなら生保手続きや社会福祉協議会の生活一時貸付金、食料であればフードバンクなどありますが、親の財産や資産が絡むとなると、プライベートの問題となります。また税理士、不動産会社、社労士、保険会社、弁護士等の別の専門領域となります。そのため、どうしても手探りとなる場合が多くなります。ただでさえ、たくさんのケースを抱えている相談支援員の立場を考えると、「支援先の開拓」には時間がかかることから支援がいつのまにか滞ったりする。
今回、私たちが「よりそいサポート」の契約を交わすことにより、相談支援員がこうした課題に積極的にかかわることで、早めの課題解決となることを期待しています。また相談支援員の支援力向上につながり、地域のNPO法人としても、信頼される法人になるためのブランディングの効果にもつながっていけたらと思っています。
法人職員さん向けに「親なきあと問題」についての勉強会を実施してみての感想を教えてください。
野路さま
勉強会はオンラインと会場のハイブリットで行われたのですが、驚いたのは、通常、会場だけの質問が多くなりやすいのですが、オンラインからもあり、結果予定していた時間を20分近く延長され、終わった後も質問やあしたパートナーズのスタッフと名刺交換をされたりしていました。その点では、こうした支援先の連携を求めていたということだと思いました。
今後、私ども以外に、全国的に困っている相談支援機関は多数あります。今回、試験的に私たちとあしたパートナーズさんとの連携の実践が深まっていけたら、他の相談支援機関にも波及されていき、親なきあとの新たな連携のプラットフォームになっていただけたらと思っています。そのために、あしたパートナーズさんには障害のある方の財産等にか関する相談先のゲートキーパーの役割になっていただけることを期待していますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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2025年9月開催の職員向けの勉強会風景
(NPO法人わかくさ福祉会様において、延べ40名の方が研修を受講しました)
